御免なさい

SNSにも書けぬほど臆病な僕の弱い所をインターネットの隅っこに置かせて欲しい

 

まぁまぁ酷い人生を送ってきた

程々に虐待を受け、両親は毎日喧嘩をし、学校では友達が出来ず

暗く冷たい公園で人様の喘ぎ声を聞きながら嘘つきみーくんと壊れたまーちゃんを読み

腕を傷つけてヘラヘラしていた中学時代

 

歪んだ自意識を高尚に美術なんぞに向けて

「絵の書けない自分なんかに生きてる価値は無い」と宣い

勉強もせずただ消費し惰眠を貪り

恋人が自殺したことで絶望して

兄から首を絞められ家を飛び出し児相に相談したものの 何の成果も得られず

川に落ちる妄想ばかりを続けた高校時代

 

どこにでも有り触れた、ひらぺったい不幸話の寄せ集めで出来た僕の人生だ

 

世界でいちばん不幸だと歪んだ自意識を引きずり回したせいで

誰からも受け入れられぬ そしてまたそれを盾に引きこもり 被害者ぶっては現実から逃げ回る愚か者

不幸のドロステ効果 醜悪以外の何物でもない

 

程よく発達障害なんぞと診断され、二次障害も発症し、働けなくなり、引きこもり

果ての果てまで行き着いて僕は気付いた

 

「僕だけ不幸なのおかしくねぇか!???」

 

だってそうじゃないか

今まで自分を痛めつけてきた奴ら(便宜上そう呼ばせていただく)は

今頃親しいヤツらと酒でも飲みながら笑いあってるし

闇金ウシジマくんを読んでハッハッハ、フィクションと不幸をコンテンツとして消費してる

社会的に良いとされる努力をして 大学なんかに通って

会社員になって人の役に立って人生を生きてるんだ

 

ボルボックスになりて〜、もしくは石

とか思ってる僕の気持ちなんか知ったこっちゃないのだ

知ってたら怖いけど

 

 

かの有名な杏子ちゃんも言ってたじゃないか

希望と絶望は差し引きゼロだ って

じゃあきちんと絶望してきた僕にだって希望があったっていいだろう

 

そう思った僕は、格安SIMの入った中国産のスマホとレシートの詰まった財布を握り締め

ガチャりと家のドアを開け、ガチャと閉め

引き出しから安定剤を2錠取り出し飲んだ。

 

そしてタバコを一服して 蹲る

臆病で弱い僕は何者にもなれないから、インターネットの隅っこにでも居させてくれ